株価の変動をリアルタイムで分析したい。でも、証券サイトやアプリだと「使いづらい」「見たい情報が出せない」と感じていませんか?
そんな悩みを解決するのが自作の株価分析ダッシュボードです。
PythonとDash、Plotlyを使えば、自由にカスタマイズできる可視化ツールを簡単に作れます。
本記事では、プログラミング初心者でも理解できるように、誰でも作れる株価分析ダッシュボードの作成方法を解説します。
株価分析ダッシュボードとは?
結論
株価分析ダッシュボードとは、株価の動きを視覚的に確認できる自作の分析ツールです。
解説
一般的に株価分析は、証券会社のツールやアプリを使って行いますが、機能が限定されていたり、カスタマイズ性が低いと感じることがあります。
そこで注目されているのが、Pythonで作るオリジナルの株価可視化ツールです。
Dash×Plotlyを活用することで、以下のようなことが可能になります:
• 任意の銘柄の株価をグラフで表示
• 移動平均線や出来高の表示
• 日付を指定して期間絞り込み
• 表形式でのデータ確認
完全に自分用にカスタマイズできる点が最大のメリットです。
使用するライブラリと環境構築
結論
DashとPlotlyを使ってWebベースのダッシュボードを作成します。
解説
株価分析には以下のライブラリを使用します:
• yfinance:Yahoo! Financeから株価データを取得
• pandas:データの加工や計算
• Dash:インタラクティブなWebアプリケーションの構築
• Plotly:美しいグラフの描画
インストールコマンド:
1 | pip install yfinance dash plotly pandas |
DashはWebサーバーを立てるため、ローカル環境にPythonが必要です。
VSCodeやJupyter Notebookでも動作可能です。
株価データを取得する方法
結論
yfinanceライブラリを使うことで、日付指定の株価データが簡単に取得できます。
解説
以下のコードで、任意の銘柄(ここではトヨタ自動車)の株価データを取得できます。
1 2 3 4 5 | import yfinance as yf ticker = yf.Ticker( "7203.T" ) # トヨタ自動車(東京証券取引所) data = ticker.history(period = "6mo" ) print (data.head()) |
取得できる情報:
• 始値、終値、最高値、最安値
• 出来高(取引量)
• 日付ごとのデータフレーム
APIキー不要で無料なので、誰でも手軽に使えます。
Dash×Plotlyで可視化する方法
結論
DashでWebアプリを作り、Plotlyでグラフを描画するだけで視覚化できます。
解説
以下がシンプルな株価グラフを描画するコードです:
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 | import dash from dash import dcc, html import plotly.graph_objs as go app = dash.Dash(__name__) app.layout = html.Div(children = [ html.H1(children = '株価分析ダッシュボード' ), dcc.Graph( id = 'stock-graph' , figure = { 'data' : [ go.Scatter( x = data.index, y = data[ 'Close' ], mode = 'lines' , name = '終値' ) ], 'layout' : { 'title' : 'トヨタ株価の推移' } } ) ]) if __name__ = = '__main__' : app.run_server(debug = True ) |
ブラウザでグラフを確認できる仕組みになっており、操作も直感的です。
インタラクティブ機能の追加
結論
ユーザーが選択できる機能を加えることで、より使いやすいツールに進化します。
解説
DashのDropdownやDatePickerを使えば、以下のようなことができます:
• 銘柄の選択
• 表示期間の変更
• グラフ種別の切り替え(折れ線・ローソク足など)
コード例:
1 2 3 4 5 6 7 8 | dcc.Dropdown( id = 'ticker-dropdown' , options = [ { 'label' : 'トヨタ' , 'value' : '7203.T' }, { 'label' : 'ソフトバンク' , 'value' : '9984.T' } ], value = '7203.T' ) |
インタラクティブ機能は学習コストは低く、効果が大きいです。
公的機関の株価データについて
結論
正確な株価データを扱うなら、金融庁や日本取引所のデータも参考になります。
解説
信頼できるデータソースとして、以下が挙げられます:
• 日本取引所グループ(JPX):https://www.jpx.co.jp
• 金融庁 統計情報:https://www.fsa.go.jp/statistics/
これらのデータは分析や検証にも活用できます。
yfinanceのデータと突き合わせて精度を高めるとより信頼性が上がります。
完成形コードの全体像
以下がダッシュボード全体の完成コードです:
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 | # 必要なライブラリ import yfinance as yf import dash from dash import dcc, html import plotly.graph_objs as go # データ取得 ticker = yf.Ticker( "7203.T" ) data = ticker.history(period = "6mo" ) # アプリ構築 app = dash.Dash(__name__) app.layout = html.Div(children = [ html.H1(children = '株価分析ダッシュボード' ), dcc.Graph( id = 'stock-graph' , figure = { 'data' : [ go.Scatter( x = data.index, y = data[ 'Close' ], mode = 'lines' , name = '終値' ) ], 'layout' : { 'title' : 'トヨタ株価の推移' } } ) ]) if __name__ = = '__main__' : app.run_server(debug = True ) |
まとめ
本記事では、Pythonで「株価分析ダッシュボード」を作る方法を解説しました。
Dash×Plotlyを使えば、初心者でも簡単に可視化ツールが作れます。
この記事のポイント:
• 株価データはyfinanceで簡単取得
• DashでWebアプリ化、Plotlyでグラフ表示
• ユーザー入力やインタラクティブ操作も可能
• 完成形コードをそのまま実行できる
自作ダッシュボードを通じて、データ分析の力を実践で学ぶきっかけにしていただければ幸いです。